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農民歌舞伎小屋

2013年03月29日

白雲座

 

下呂温泉から20分ほど中津川方面へ戻った門和佐部落の白山神社境内に山深い景色を見下ろすように白雲座は建っています。

 白雲座 下呂温泉白雲座からの景色

建物は「門和佐の舞台」として国重要有形民俗文化財に指定されており、古い形を残す貴重な劇場型舞台です。

白雲神社 国重要有形民俗文化財白雲神社の境内に建っています

白雲神社全景です

江戸時代末期に拝殿型の舞台部分が造られ、その後客席部小屋を増築し明治23年3月27日舞台開きをしました。その記録を舞台内部の柱や壁に書かれた落書きの中に見つけることが出来ます。

白雲神社 舞台内部
役者や囃子方が書いた落書きから歴史年代を読み取ることが出来ます

白雲神社 舞台下

舞台下に下りると回り舞台のコマを人力で回す所すっぽんが見えます。

白雲神社 興行ちらし
傾斜を利用した地階は明るい空間になっていて、壁に残る古い興行ちらしもおもしろく貴重なものです。

 

江戸時代以来農民の大きな楽しみは祭礼の奉納行事として自ら演ずる農村歌舞伎で、江戸から役者を呼び本格的に競演するほど力の入ったところもありました。昭和に入り戦争と新しい娯楽のために衰退しましたが、近年になって文化遺産を活かした地域の活性化にと復活し、現在全国182の保存会の56会が東海地方、特に東濃地方に保存されています。

 

この白雲座も昭和53年国の文化財指定を機に、地元の方々の熱意と努力によって「白雲座歌舞伎保存会」が結成され、毎年11月の白山神社の祭礼に合わせて「白雲座地芝居公演」が行われるまでに復活しました。入場料は取らずに神社寄進の形でいただくお金と公演冊子の広告料等300万円で興行費用を賄っているようです。

寄進札 白雲神社
客席天井からつるされた寄進札がいかにも村芝居の雰囲気を盛り上げています。今年も11月の祭礼にあわせて開演予定です。

 

坂本 悠

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