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障害のある高齢者のリフォーム その4        空気環境を考える

2017年05月19日

体に負担なく快適で、隅々まで変わらない環境、操作が簡単でメンテナンス不要とは

 

  温度・湿度を考えるにあたり、まずは「断熱」と「気密」の性能を上げることですが

  築40年近い建物の北部屋の壁には大きな結露跡があり、躯体内側に硬質ウレタンが吹き付けてありました。

 

  改修の「断熱」は開口周り、仕上げ厚さを考慮しての仕様になりますが

    は縦に450mmピッチの木下地(55×45)を組み、その隙間に50mmのネオマフォーム充填。

    梁型はプラスターボードと硬質ウレタン一体化したボードを直貼り。

    最上階の天井は特に配慮した結果、約30cmの懐の全てにセルロースファイバー吹き込みます。

    は最も弱点ですが取り替えることは不可能なので

      既存サッシの内側にインナーサッシ(ペアガラス)を新設する。

      既存サッシのガラスをペアガラスに入れ替えて内側に障子を設ける。 の2仕様に

    断熱が甘くなり易いサッシ周りも発砲ウレタンをしっかり充填します。

   以上でも結局木製のサッシ枠はすべて奥行きの大きなものに取替となりました。

 

 「気密」はサッシ性能に寄るところ大ですが、取替不可でこれは何ともなりません

    でも二重の建具で少しはアップしたと思われます。

 

 「換気」「風量・風向き」の設計は当然大切なことですが

    外壁に新しい穴を開けることは出来なので 浴室、トイレ、キッチンの3か所です。

    納戸やクロゼットにも欲しいのですが 残念ながら能力不足です。

    もちろん換気扇は24時間対応の新しいものに取替ます。

 

 

  さて「空調」ですが、75㎡のワンルームでは業務用エアコンか家庭用エアコン数台を設けることになりますが 

    希望する「部屋の隅々まで同じ環境にする」には換気を詳細に配分することが必要ですし、

    面倒なオペレーションや設置、燃費のコストの点からも満足の出来るものではありません。

 

  そしていろいろ比較研究の結果「輻射の冷暖房システム」を採用しました。

  室内の大きなパネルさえ上手く配置出来れば

    風が出ないので不快感がなく自然気候に近い、暑がりやさんも寒がりやさんにも共に十分快適。

    24時間運転しっぱなしなので、朝晩はもとより年中ほとんどスイッチに触れなくてよい。

    シンプルな装置でトラブルが無い、普通のエアコンと変わらない室外機(ベランダに設置します)。

    大スペースを24時間空調し続けるにしては電気代(燃費)が安い。

  コストは掛かりますが「最上階の4方外気面」の悪条件を克服するために選択しました。

 

  給排気量のはっきりしない、しかしどちらかと言えば換気量の少ない空間です。

  そこで有害物質が無い建材には注意を払ってこだわります。

    床は無垢フローリング無塗装、壁は土壁の左官仕上げ、梁・天井は自然塗料の塗装。

    建具や家具は出来る限り無垢木材無塗装、キッチンの天板は4mm厚のステンレス。

    しかし残念ながら ユニットバスとキッチンの扉は直近に換気があるので・・・仕方なく妥協です。

 

次回は 加齢、障害への対応です。

 

坂本 悠

一級建築士設計事務所 株式会社 有理社

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