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木の構造体を現す準耐火建築物

2017年03月06日

木の構造体を内部に現した準耐火建築物をつくることができます。

平成26年までは、「燃え代設計」といって、表面が燃えても構造上支障が無いように大きな断面の木材を使うことで室内に露出させることが可能でした。燃え代設計では45分の耐火時間を取るのに、集成材で35㎜、製材で45㎜の燃え代を必要としています。構造耐力上120㎜の幅で設計する場合、製材で210㎜の幅が必要になってきます。これは一般的なサイズではなく、全体的に使うとかなりのコストアップになってしまうため、「燃え代設計」は、ここは露出で梁や柱を見せたいというところに、ポイントとして使うことが適しています。

 

平成26年に外壁の耐火構造の告示(広く一般的な仕様)に木造の仕様が追加されました。これにより外壁耐火の準耐火建築物が可能になり、内部空間は自由に木を現すことができるようになりました。

↑ 外壁耐火の木造による準耐火建築物の例

 

準耐火建築物でありながら一般的なサイズの柱や梁を目いっぱい見せることができ、木造建築物ならではの温かみや柔らかさを感じることができます。準耐火建築物とすることで建築の価値を高め、安心感にもつながるのではないでしょうか。また消防設備の緩和や、一般住宅においても火災保険の面でメリットがあります。

木造建築の可能性が広がっています。住宅を計画の際も一考の価値があると思います。

 

 

伊藤 晋一郎

一級建築士設計事務所 株式会社 有理社

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