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マンションのリフォーム  その11         左官仕上げ

2017年09月01日

いよいよ仕上下に入りました。

 

天井と梁型はエマルジョンペンキのエッグシェル仕上げ(卵の表面のような細かい凹凸)

壁と柱は左官の土壁仕上げです。 仕事は名手の岡田建工さんにお願いしました。

 

左官仕上げの壁、柱型 と 塗装仕上げの梁型 テープの養生から始まります

仕上げの厚さを計算して丁寧に・・・職人の腕前がまずここで分かります。

 

まずは下塗り、今回はこの上に仕上げ塗りです。

 

道具箱の中身です、職人の腕前と道具好きは比例するそうで・・・ついつい買ってしまうそうです。

マニア・・・オタク・・・ですね。

 

この仕事で使う道具がスタンバイしました。

 

最近はほとんどがメーカーで既に調合したものを現場で捏ねて使っています、簡単です。

今回は親方の岡田さんが漆喰、白土、砂、藁スサを調合してくれました

漆喰は硬くて丈夫ですが 白土はその硬さを和らげてくれ 藁はより優しさを増してくれます。

漆喰の糊(海藻)は有機物なので いずれは無くなってしまいますが 骨材の砂がいろいろな成分を結び付けてくれます。

 

壁土中の微生物など有機物を除くため何年も晒したり、藁も無機質になるまで年月を掛ける。

昔の左官さんはその準備を当たり前のようにやっていましたが、もうそんな左官屋さんはほんの数人

岡田建工さんは そういう左官屋さんです。

 

仕上げ塗りです。 材料がまだ十分水分を含んでいるうちに そっと優しく抑える「なでもの」という仕事です。

簡単そうですが とても高度な技術とセンスが要るそうです。

角は小さな面を取って 優しくて欠けない工夫をしてくれました。

 

塗装面と左官仕上げの養生を剥がすと 入隅に目地を入れてくれました

なななかの腕前で 丁寧できれいな仕上がりです。

 

コテを強く引くのではなく フワッと抑えるのが「なでもの」です。

ラフな表面は音の反響を抑え、5ミリほどの塗り圧ですが蓄放熱してくれます。

手間を掛けていただき フワッと優しい仕上がりが楽しみです。

 

 

坂本 悠

一級建築士設計事務所 株式会社 有理社

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